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東灘からポタリング

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ポケロケ・ブロ・マドン、3台の愛車でどこかに出かけた時の記録など

カテゴリ:書評( 17 )

5年目で3冊目になる著者の「貧困大国アメリカ」シリーズの最新刊にして完結編。
第1作目では病気1回で破産の医療制度や,民間警備会社が請け負う形となったイラク戦争あたりが。第2作目では将来の夢に向かって苦労して大学進学したものの,学費ローンの借金漬けにされてしまう若者の悲惨さなどが(自己破産も出来ないらしい),それぞれ印象的だった。
2週間ほど前に発売になった本作では,主に農業と食品の話。
メジャーといえば何といっても昔からエネルギーと食物。そういう意味では米国流資本主義経済の超巨大化した家元の為さりようが,たぶん歴代大統領まで抱き込んでいかに酷薄なものかがよく分かって,一時の怒りとその後の無力感・不安感にさいなまれる事請けあい。

「アメリカ国民にとっての選択肢は、大金持ちに買われた小さい政府か、大金持ちに買われた大きい政府か、という二者択一になりました」とは本文227ページ、窮してもこの辺りのジョークはさすがアメリカ。
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こちらは本文42ページに出てくる鶏の写真。成長促進剤を注射される現代の工業式養鶏場の鶏は体重が25年前の8倍。内臓や骨の成長が追いつかずに、大半が6週間目で足が折れたり肺疾患にかかってしまうとのこと。
さらにその工業式養鶏場というのがまた凄くて、隣で死んでもその上に鶏が乗って飼育が続けられる様な狭くて劣悪な環境で、産卵刺激のため1日電気が点きっぱなし、ストレスから来るツツキ合いを回避するためあらかじめクチバシは切除されているとか、アメリカの抗生剤消費の7割は家畜用だとか。
こうした養鶏場を全米各地で営む多くは家族経営の業者が、一昔前の農奴のように巨大資本にがんじがらめに支配されていて、例えば100万ドルの借金をさせられて昼夜を問わぬ過酷労働の結果、業者の収入は1万ドル台で自転車操業が延々に続くだとか。
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・・まぁヒドい話だが、それでも世界人口やがて80億人が飢えずにタンパク質を補給するためには、こうした手に頼るしかないのかも知れないとの考え方も有り得る(今さら皆でイナゴを食べるのも何だし、さすがにまだ動物自体には遺伝子組み換えはされてないらしいし、でも「GMサーモン」みたいに魚類ではそうしたモノも現実化しているみたいだケド、、)。

・・・もう一方で真に恐ろしいのは、主にアングロサクソンの1%の勝ち組の方々が行使している、慎重かつ狡猾に法を自分ら有利に設定させ、いったんルールが出来た暁にはその枠内ならどんな事でもやれるし実際に行って、同族だろうが友人や隣人だろうが地に落とす。といった感じの飽くなき闘争心というか地位・金銭という形で得られる栄誉希求性。要するに端から見れば強欲性だが、絶対それと自分で認めない強靱な自己規定とそれを補強する文化・宗教を有しているところ。やはり異人種、ここはぜひ「困った時はお互い様」という言葉を一度じっくり学習してもらいたいものである。

ちょうど来週から始まるTPP交渉はまさしくこうした話だろうし、「尖閣を守ってもらうならちょっとくらい仕方ないか」とか思っているととんでもない事になりそうで、心配ではある。
「アメリカの零細養鶏業者」や「戦後にGM種子を売りつけられるイラクの農民」あるいは「日米和親条約」とかみたいに成らないためには、ここが踏ん張りどころか?
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by ichiro82 | 2013-07-16 18:51 | 書評
最近少し話題になっている新書。
作者は韓国勤務の長かった新聞記者。
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彼の国の批判本は世にごまんとあるが、この本が優れているのは1次資料として全て韓国の新聞記事を使っているところ。
彼の国の憂える記者・論者の自国批判に乗っかかって解説している体なので、こちらが変な言いがかりをふっかけているわけでない点が正々堂々感があって良い。
しかもそうした制限がありながらも、あまり知らなかった唖然とするような実態が多々記されていて、なかなか勉強になった。

「両班は溺れても犬かきはしない」で、仕事が無くてもとにかくホワイートカラー職にこだわる点とか。
「外華内貧」でフランスのTGVを導入しても外真似だけで未だに脱線などの事故続きとか。
贈収賄や縁故採用はまだまだ常態化していて、ある年の外務省の臨時職員募集は採用たった1名だったがそれが外務大臣の子弟だったりとか、おまけにその人事に関連した幹部数名がその後出世していったりとか。
儒教の国にしては美容整形が大流行の点とか(親にもらった体に傷を付ける、のタブーはどうした)。
そもそも親孝行も怪しくて、経済的に困窮して子の援助も受けられず自殺する高齢者がかなり高率に存在していたりとか。
詐欺事件が日本の数十倍の発生頻度だったりとか。

・・しかし興味深いのは、地理的な近さや前の氷河期には地続きだったことはもとより、いわゆる下戸の存在など我々共通で他に例のない特質を有していたりなど、遺伝的には相当近しいはずの我々がかようにかなり文化・社会的には違った状況にあること。
このあたり「氏より育ち」で、子供の頃生き別れた双子が後年出会ったら全く別人に成長していた、みたいなものか。
・・あるいは、広い世界から見れば我々の文化・社会的な差などは誤差に近くて、実は似たもの同士なのか。

確かに表面的な親近感は(少なくともこちらからは)強いが、乱射事件で20人の小学生が亡くなっても自動小銃の規制すら出来なかったり、上院議員候補が「レイプでは妊娠しにくい」と選挙運動中に発言したりする某国が、本質的にはどうも理解出来ていなさそうなのに比べると、この人達の行動の背景にある心性は非常に良〜く理解出来て、自分への戒めや反面教師としての教訓に重宝する。

やっぱり近いか。。
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by ichiro82 | 2013-05-31 17:15 | 書評
先日買った書籍の中に入っていたチラシ、そこで推薦されていたのがこのマンガ。
春の息吹が小生の怜悧な脳髄にも、こうしたオポンチ・ネタのつけいる隙を与えたもうたか。
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という事で、ケレン味もなくオヤジ・セクハラギャグが満載。
本は6年前の連載開始で、既に8巻まで出ているとのこと。
もやしもんで有名なイブニング誌連載なので、長年ほぼ欠かさずに手に取っていて見過ごしてたという事らしい(立ち読みだが)。
全く今回まで知らずで来た不明を少し恥じる。
実は過去にテレビアニメ化もされていて(全13話)、こちらはその第1話。

ほぼコミック第1話を踏襲した内容、ちなみに途中のモザイクのかかった「生け贄第2弾」はザクの片足。上の画にも出ている生け贄第3弾はザグのその他の本体。
ガンダムの敵役だが、著作権的に出せなかったらしい。
何と嬉しいことに本春よりアニメ第2弾が始まるとのこと、ちょっと期待。

と、言いつつグーグルで関連画像を見ていて見つけたのはこんなコマ割。
悪魔の怠惰の力によって突如やる気を失った弘兼が、「島耕作」の路線を一気に変えてきた、といったマンガ中マンガ・ネタ。2巻13話のあたり。
同じ雑誌の超大物の先輩にネタを仕掛けるあたり、作者になかなかの器も感じる、か?。
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とか思って元のページを遡ると、何やらハングル語の画面に。
言葉は解さないものの「なるほど、あちらでもこのマンガは受けているのか」と思いながら眺めているとこんな表が。
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〜どうやら反日ネタの一つにされていたみたいで。
まぁ最後は彼の国の人たちのこの種の勤勉さに、相変わらず感心しておしまい。
とりあえず対馬の仏像を返して。
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by ichiro82 | 2013-03-06 19:19 | 書評
スピリッツで昔オメガドライブを、今はかもめ☆チャンスを描いている、玉井雪雄氏(42)による自身のロード体験マンガ。
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我々ローディーの辿ってきたあるある体験を、豊かな感性で描き切る。
例えばこんな事とか、
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あるいはこんな事とか、
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共感できる紳士淑女も多いハズ。
発売は昨年11月、ただし出版社が弱いのか実際の本屋では見かけず、Amazonで先日購入して一気読み。
読了して、宇都宮の正嗣にギョウザを食いに行きたくなった、東京から自走で130km。

読むべし。
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by ichiro82 | 2013-02-15 17:26 | 書評
久しぶりのマンガネタ。

先週からヤングジャンプで連載開始したマンガ。
作者はつい先日まで同誌で「孤高の人」を連載していた坂本眞一氏。
(下に掲載した当時の肖像画の「クリッとした物憂げな視線」とか、アレンジしながら上手く表現している印象。)
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描くのは「ムッシュ・ド・パリ」と称された仏国国選処刑人、シャルル・アンリ・サンソン。
こちらは当時の肖像画。
なかなかのイケメンだったらしく、執行人の家系ではない一般人から妻をめとったとのこと。
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元本はこちらあたりの新書か。

曰く、15歳で卒中で倒れた父親の後を継ぎ、18歳で彼の国でも150年ぶりの極刑・八つ裂きの刑に立ち会い(あまりのショックで実際に執行した叔父は廃業)、熱心な王党派でありながら職務上ルイ16世やマリー・アントワネットのギロチン刑を執行し、、といった経歴で、
長いヨーロッパ史でも1-2を争う処刑数の処刑人ながら、反面で熱心なキリスト教徒で生涯に何度も死刑廃止の嘆願書を上奏した..と。
あるいは職務上どこをどう痛めるとどうなるかといった情報に知悉していたため、副業では腕の立つ医師としても活躍していたとか、自分の処刑で傷ついた患者を献身的に治療していたとか、貧乏人には治療費を請求しなかったとか。
極めて複雑な経歴の持ち主らしい。
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ちなみにこの新書も相当面白く一気読みが出来る代物。
この本によれば当時のフランスでは斬首が最も名誉のある貴族限定の死刑で、いわば日本の切腹にあたったらしい。曰く、絞首刑は家名の障りになるが、斬首は全くならなかったとのこと。そう言われるとハリー・ポッターシリーズの「首無しクラブ」の存在も頷ける。
あちらの方にしたら日本の切腹は、理解不能の残虐刑という事らしい。

マンガに戻ると、今週の第2話も相当なスケール感。
さてどんな話になってゆくのか、久しぶりに楽しみな作品と邂逅できた感じである(字数が少ないのでコンビニの立ち読み向きだし、、)。
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by ichiro82 | 2013-02-08 19:02 | 書評
書く本が皆傾向が違い、シリーズものもあまり無く基本登場人物達は一作の使い捨て、そうであってこれまた皆が傑作揃いの貴志祐介(西宮在住との説も)。
ほぼ全作読んだが、中でもこれが最高傑作との評価が高い「新世界より」。
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この度、アニメで放送されるらしい。
こちら。
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5.5頭身くらいの妙に瞳の大きな“萌えキャラ風”の登場人物がかな〜り気になるが、ひょっとしてあの世界を再現できたら大変な傑作になる可能性も否定できないので、冒頭は一応見逃さないようにしておこうかと思う今日この頃。

それで思い出した、こちらこの作者の出世作。
作者が一時所属していた業界の裏街道の暴露ネタ的側面もあるが、最後の人物の登場場面などは画期的に怖かった。
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・・何というか「来る人拒まず(拒めず)」の応談を旨とする業界の因果さに、深く共感したものだった。
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by ichiro82 | 2012-04-02 19:12 | 書評
週末が雨だったので読了した、究極の安楽椅子探偵リンカーン・ライムのシリーズで有名なジェフリー・ディーバーの新作。
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主人公はライムではなく「あの007」。
作者お得意の二転三転のスピーディーなストーリー展開はいつも通りで、ボンドが若干小粒・公務員臭いのを除けば、最後まで楽しく読ませてくれる。

まぁそれは良いとして、気になったのが本に挟んであった広告チラシ。
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どうもドバイであった出版発表会で撮られたものらしいが、「オッサンちょっとノリ過ぎちゃう?」な景色。
そりゃまぁ一冊で10億円台の商売でしょうし経費は使い放題なのだろうが。

アップは「高校の化学教師」風。
しかもハードボイルド風の写真レタッチが、何とも言えない小汚さを醸している気がするのは小生だけだろうか?
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こんな暇があったらぜひライムの新作を、出来れば宿敵ウオッチメーカーの再登板でお願いしたいものである。
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by ichiro82 | 2012-03-05 12:09 | 書評
早いものでもうすぐ年末年始、年に1回のこうした本を購入してみる。
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つらつらと年末年始の番組予定を眺めながら、気になったのは取り敢えず以下のようなもの。
12/19、水戸黄門、最終回。
12/20、エルムンド、自転車探検部スリランカ編(BS)。
12/20、蜷川シェイクスピア「オセロー」(BS)。
12/25、坂の上の雲、最終回「日本海海戦」。
12/31、コズミック・フロント年末スペ(BS)。
1/1、相棒、元旦スペシャル。
1/8、平清盛、初回。
とまぁ、暇があったら録画で見ようかという番組が続く中、この様なものを発見。

1/7、向井理のオランダ・サイクル紀行(BS)。
近年NHKが年1回ほどやっている役者を使った自転車紀行、今回はこんな感じらしい。
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・・まあ、いいんですけどね。ピレネーの峠とか誰か行ってくれんもんかねぇ。
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by ichiro82 | 2011-12-13 19:10 | 書評
本日の朝日新聞から、第2の地球候補の惑星が見つかったらしい。
気温22度、直径2.4倍、ただし600光年先。
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つい10数年前、ハッブルなどの登場までは「太陽系外での惑星の存在」すら証明されていなかったのに比べれば、この分野の科学の進歩も著しい。

この報に触れて思い出すのがこちら(またマンガです、はい)。
星野之宣の傑作「2001夜物語」の第3話・豊穣の海から。月のクレーターの奥深くで地球外生命体の化石に遭遇する人類、の図。
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初出は1984年。
何だかやはりあの頃の方が人類史的に今現在より勢いがあった気がする、これって単にノスタルジー?
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by ichiro82 | 2011-12-06 18:51 | 書評
早いものでしばらく過去の思い出に浸っている内に師走、この時期になるとここ20数年このランキングが気にかかる。
宝島社「このミステリーがすごい!」。
今週、先行して週刊文春ミステリー・ベスト10が発表になったので、来週か。
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ちなみに過去の国内一位では、「新宿鮫」「マークスの山」「ホワイトアウト」等が個人的には良かった、ただし「ゴールデンスランバー」や「悪の教典」など近年の一位には未読も多いが。

今年はさてどうなるか。
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by ichiro82 | 2011-12-03 18:04 | 書評