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東灘からポタリング

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ポケロケ・ブロ・マドン、3台の愛車でどこかに出かけた時の記録など

悪韓論

最近少し話題になっている新書。
作者は韓国勤務の長かった新聞記者。
悪韓論_b0211800_1638437.jpg

彼の国の批判本は世にごまんとあるが、この本が優れているのは1次資料として全て韓国の新聞記事を使っているところ。
彼の国の憂える記者・論者の自国批判に乗っかかって解説している体なので、こちらが変な言いがかりをふっかけているわけでない点が正々堂々感があって良い。
しかもそうした制限がありながらも、あまり知らなかった唖然とするような実態が多々記されていて、なかなか勉強になった。

「両班は溺れても犬かきはしない」で、仕事が無くてもとにかくホワイートカラー職にこだわる点とか。
「外華内貧」でフランスのTGVを導入しても外真似だけで未だに脱線などの事故続きとか。
贈収賄や縁故採用はまだまだ常態化していて、ある年の外務省の臨時職員募集は採用たった1名だったがそれが外務大臣の子弟だったりとか、おまけにその人事に関連した幹部数名がその後出世していったりとか。
儒教の国にしては美容整形が大流行の点とか(親にもらった体に傷を付ける、のタブーはどうした)。
そもそも親孝行も怪しくて、経済的に困窮して子の援助も受けられず自殺する高齢者がかなり高率に存在していたりとか。
詐欺事件が日本の数十倍の発生頻度だったりとか。

・・しかし興味深いのは、地理的な近さや前の氷河期には地続きだったことはもとより、いわゆる下戸の存在など我々共通で他に例のない特質を有していたりなど、遺伝的には相当近しいはずの我々がかようにかなり文化・社会的には違った状況にあること。
このあたり「氏より育ち」で、子供の頃生き別れた双子が後年出会ったら全く別人に成長していた、みたいなものか。
・・あるいは、広い世界から見れば我々の文化・社会的な差などは誤差に近くて、実は似たもの同士なのか。

確かに表面的な親近感は(少なくともこちらからは)強いが、乱射事件で20人の小学生が亡くなっても自動小銃の規制すら出来なかったり、上院議員候補が「レイプでは妊娠しにくい」と選挙運動中に発言したりする某国が、本質的にはどうも理解出来ていなさそうなのに比べると、この人達の行動の背景にある心性は非常に良〜く理解出来て、自分への戒めや反面教師としての教訓に重宝する。

やっぱり近いか。。
by ichiro82 | 2013-05-31 17:15 | 書評

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