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東灘からポタリング

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ポケロケ・ブロ・マドン、3台の愛車でどこかに出かけた時の記録など

イムリ

久しぶりのマンガ紹介、自信を持ってオススメ?の逸品。
イムリ、2009年の文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞(ちなみに大賞はヴィンランド・サガ)。
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画風は諸星大二郎風。ひょっとしてアシスタントやってた事があるのかも?と思えるほどタッチも重なる。
絵の技術的には人物の描き分けが覚束ない部分もあるし、一応SFにも関わらず建物や機械モノに至ってはサイズ感も遠近感もほぼ無しと,残念な水準。
ただし世界観と登場人物が共に抜群。
「架空世界の悩める青年の英雄譚」という物語の王道一直線なのだが,せっかく作り込んだ登場人物を中盤以降次々と退場させてゆくその潔さはあっぱれな水準。
残酷の一例は下で人物の前にいる「獣奴」なるこの世界の生物。
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暗い昭和を代表するこの往年の小説を思い出すが、ルーツに関しては案の定な残酷さ。
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中盤以降のテーマの一つはずばり血統差別。これに関してはこの名作にどこまで迫れるか。
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冒頭「?」が付くのは未完結なため。現在10巻までで新刊は半年一度のペース、次は来春か。
果たしてこの壮大な話をどう終結させるのか、そろそろ腰痛と老眼が始まる年ではと推察されるが、息切れしないで頑張って欲しいものである。
by ichiro82 | 2011-11-06 15:47 | 書評

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